ノルディックウォークとは?ウォーキングの効果や始め方、イベントの参加方法を徹底解説

ノルディックウォークとは、両手に2本のポール(ストック)を持って歩行するウォーキングの方法で、ノルディックウォーキングやポールウォーキングなどと呼ばれることがあります。

日本では現在、中高年から高齢者を中心として健康増進や生活習慣病予防などの目的でノルディックウォークの人気が高まっており、講習会や体験会、ウォーキングイベントなどのが数多く開催されています。

これからノルディックウォークをはじめたい方、ノルディックウォークに興味がある方に対して、ノルディックウォークの基礎知識や始め方、イベントの参加方法、かかる費用などについて徹底解説します。

ノルディックウォークとは

ノルディックウォークとは、冬山をスキーで走り抜けるクロスカントリー競技の選手たちが夏場のトレーニングとして始めたフィンランド発祥の歩行スタイルで、2本のポールを持って道路や広場などで行うことができるウォーキングです。呼称には、地域や団体、スタイルによって以下のようなものがあります。

・ノルディックウォーク
・ノルディックウォーキング
・ポールウォーキング

日本で初めてノルディックウォークが紹介されたのは1999年のことで、フィンランド人のトピさんが北海道の大滝村で「ノルディックウォーキング教室」を開催しました。

ノルディックウォークがフィンランドで誕生し、日本に伝わるまでの歴史については、別記事「ノルディックウォークの歴史」にて詳しく紹介しています。

ノルディックウォークの2つのタイプ

ノルディックウォークには歩行スタイルによって、大きく分けて2種類のタイプがあります。

・アグレッシブ型
・ディフェンシブ型

スポーツ選手たちの夏場のトレーニングとして行われるのがアグレッシブ型で、日本で健康増進や運動のために普及しているのがディフェンシブ型です。

2つのタイプでは、ノルディックウォークの歩行方法だけでなく、使用するポールにも違いがあります。

アグレッシブ型とディフェンシブ型で、それぞれの歩行スタイルや目的が異なりますので、適切なポールを選ぶようにしてください。

ノルディックウォークの効果

ノルディック用のトレッキングポールを両手に持ってウォーキングを行うことによって、手ぶらでウォーキングをするよりも高い運動効果が得られることが期待できます。

大きなカロリーを消費することができる
・脊髄や腰が回ることで全身運動になる
・手の動きを意識することで脳を刺激する

・足や腰などへの負担が軽減される
・正しい姿勢により背筋が伸びる

ポールを使用しているために負荷の低い運動になるというイメージがあるノルディックウォークですが、足や腰への負担を軽減する一方では、腕や腰、脊髄を使った全身運動となることでカロリー消費を高めます。

また、年を重ねるごとに腰が曲がってくることが気になる高齢者にとっては、正しい姿勢で背筋を伸ばした状態でのウォーキングが効果的で、さらに手を動かすことを意識するので脳にも適度な刺激があります。

ノルディックウォーキングのカロリー消費

ヨーロッパでの研究によって発表されているデータでは、ノルディックウォークで時速4.8キロ、30分間のウォーキングを行った場合には165キロカロリーが消費され、ウォーキング技術が高まることで195キロカロリーを消費することが可能になります。

また、歩行スピードを上げて時速6.4キロとした場合には、同じ30分間のノルディックウォーキングであっても230から275キロカロリーを消費することができます。

ノルディックウォークは、速さや順位を競うような競技スポーツではありませんので、ご自身の体力に応じた負荷をかけて歩くことが可能ですので、目的や目標に合わせてスピードを調整するようにしましょう。

ノルディックウォークは全身運動

ノルディックウォークをはじめたばかりの初心者の方は、ウォーキングの翌日に上半身に筋肉痛などの症状を感じられることがあります。特に腰回りなどの筋肉が刺激されていたことが確認できるでしょう。

これは、ノルディックウォークが全身運動でありを使うことで腰回りにも負荷がかかっていることを示しています。

ウォーキングは有酸素運動であるため、歩くことで全身の脂肪を燃焼させる効果がありますが、ポールを使用して腕や腰、脊髄を動かすことで、直接的に上半身の筋肉に負荷をかけることになります。

手を動かすことで脳を刺激する

トレッキングポールは歩行を補助する杖のような役割をするものですが、しっかりと地面にポールを着地させて身体の後ろ側へと移動させるというポールウォーキングを意識することで、脳を刺激する効果があります。

手ぶらで行う通常のウォーキングでは、どうしても疲れてくると腕の動きが小さくなりがちですが、ポールを持つことによって常に腕を大きく動かさなければなりませんので、手と足の両方の動きを脳が意識するようになります。

高齢者だけではなく中高年の方にとっても、ウォーキング中に脳を刺激することは、脳機能の低下を防ぐために効果的であると言えるでしょう。

足や腰などへの負担を軽減する

高齢者を中心として健康維持のためのウォーキングが推奨されていますが、足や腰などへの負担が大きいことから、関節を悪くしたり、転倒してケガをしてしまうという事例が数多く発生しています。

ノルディックウォークでは、足とポールによる4点で身体を支えることで転倒のリスクを抑制していることに加えて、しっかりと手や腕を使ってウォーキングすることから足や腰への負担が軽減されます。

1本の杖で歩くことで身体が左右のどちらかに歪んだり、手押し車を使用することで腰が曲がってしまうといった弊害が少ないことも、ノルディックウォークの特徴のひとつです。

正しい姿勢をキープするノルディックウォーク

ノルディックウォークで使用するポールは、使用する方の身長に合わせて長さを調整できる機能が付いており、常に正しい姿勢をキープしながらウォーキングすることが可能です。

ポールの長さを適切に保つ方法としては、立った状態でポールを地面につけた時に腕の角度が100度程度になっていることが好ましいです。直角よりも少し低い位置にポールのグリップがある状態になります。

さらに詳しくポールの長さについて知りたい方は、別記事「ノルディックウォークのポールの最適な長さとは?」を参考にしてみてください。計算式によってポールの長さを求める方法も紹介しています。