ノルディックウォークの歴史

ノルディックウォークの基礎知識

ノルディックウォーク北欧フィンランドを起源とするウォーキング方法で、クロスカントリーのスキー競技の選手たちが夏場のトレーニングのために始めたものです。

日本ではポールウォーキングやノルディックウォーキングなどのさまざまな呼称がされ、中高年から高齢者までの幅広い年齢層に親しまれています。

ノルディックウォークの歴史について少し詳しく知りたいという方のために、情報をまとめてご紹介します。

ノルディックウォークはフィンランド生まれ

ノルディックウォークは、クロスカントリーのスキー競技の選手たちのための夏場のトレーニング手段のひとつとして、フィンランドで開発されたことが起源となっています。

フィンランド語では、ノルディックウォークのことを「サウバカベリ」と呼びます。

1979年にフィンランド人コーチのマウリ・レポ氏が発表した『クロスカントリースキーのトレーニング方法の一部』という書籍の中で、雪のない状態で2本のポールを用いて歩行するトレーニングとして紹介されています。

スポーツトレーニングや医療(メディカル)の分野におけるノルディックウォークは、こうしてフィンランドから始まり、現在に至っています。

ハイカーやバックパッカーたちが2本のポールを使用

ノルディックウォークの歴史は、トレーニングなどに活用される流れとは別に、ハイキングを楽しむハイカーや、世界を旅行するバックパッカーたちが2本のポールを用いて長い距離を楽しみながらウォーキングするという別の流れも存在しています。

歩くことそのものを楽しむハイカーやバックパッカーたちは、足や腰の疲れを軽減しながらも、力強く歩くために両手に持った2本のポールを活用していました。

旅行やレジャーの分野におけるノルディックウォークは、一般の人々の間でも自然に広がっており、競い合うことなく歩くことを楽しむという考え方が、現在でも生き続けています。

ノルディックウォーク専用ポールが発売される

スキー選手の夏場のトレーニングでの活用や、ハイカーやバックパッカーの2本の杖の使用など、ウォーキングで2本のポールが使用されるようになり、1988年にはウォーキング専用のポールが発売されました。

世界で初めて2本1組のウォーキング用ポールを製造販売したのは、アメリカのエクサ―ストライダー社(Exerstrider)です。

また、1997にはフィンランドのフィットネス製品メーカーのエクセル社(Exel)が、アグレッシブ型のノルディックウォーク専用ポールを製造販売しています。

なお、「ノルディックウォーキング」の名称をつけて一般化させたのもエクセル社で、1999年に命名されたと記録されています。

日本にもノルディックウォークが到来

日本でノルディックウォークが最初に伝えられたのは北海道大滝村(現在は伊達市)です。

フィンランドからスポーツ指導員として大滝村に派遣されていたトピ・サルパランタ氏が1999年に「ノルディックウォーキング教室」を開催したのが始まりです。

ポールの製造では、長野県にあるスキーポールの老舗メーカーである株式会社シナノが2004年に、現在でも販売が継続されているウォーキングポール「レビータ」ブランドを立ち上げています。

こうして、ノルディックウォークは日本全国へと広がり、全日本ノルディックウォーク連盟が2009年に設立されるなど、数多くの団体が普及活動やイベント開催を行っています。